SACO's Cinema Life

3度のごはんより映画!SACOのおすすめ映画

原作作家と映像制作者の葛藤について考えた /orange 明日公開

10年後の未来からの手紙

 
そこには、
翔を救ってほしいと書いてあったー
 
10年後も、待ってるよ
みんなで

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登校中に、ある一通の手紙が手元にあった
そこには、
翔が転校してくること
私の横に座ること
みんなで一緒に帰ること
翔の事を好きになること…
未来がすべて書いてあった
 
もし未来がわかったら
未来を変えたいと思いますか?
 
ついに、ついに映像化されました。
この漫画と出会ったのは去年。
これを絶対に映像で観たいと思いました
いろんな人におすすめしまくりました
 
東宝さんで映画化されると聞いたときは
本当にうれしかったです。
 
そして一足早く、試写させて頂きました
試写室も満席
気のせいかいつもより少し年齢層も低く
女性の割合が多かった
役者も若いし、何といっても
いま乗りに乗ってる山﨑賢人さん主演ということもあり
今年の少女マンガ映画の中でもかなりの期待度
 
内容は、本当にマンガその通り
というイメージ
オープニングとエンディングだけ
オリジナル感が強かったかな?
正直に言ってしまうとマンガのラストのほうが好きだった
でもセリフや背景、細かい部分が本当に綺麗に
再現されていた
松本の景色もきれいだった
これで、あの花ーの秩父のように、
聖地としてさらに盛り上がったら地域活性化にもつながりますね
そう思うと、最近巡礼系のアニメや映画が多いですね
これもクールジャパン?笑
 
高校2年生の話なので、甘酸っぱいど真ん中な、
花火、文化祭、体育祭、
みたいなシーンもあり
高校生に戻りたい…と思わされたりもしますが
この映画はそれだけじゃありません
手紙を読むと人生の続きがわかる
でもわかりすぎるのも怖い
でも翔がいない世界なんてやだ
どうしたら未来を変えられる?
そんな葛藤がそれぞれにある
あの日やり残したこと
誰にでもひとつはあるはず
だから、菜穂に共感する
がんばれ!変えて!そんな気持ちになる
 
 
だから、マンガ原作だから、邦画だから
と敬遠している方にこそ観てほしいです!
 
 
でも残念なのが、原作の高野苺さんが
突如、映画は観ない宣言をしたことですね
真相はわかりませんが、
ツィッターにて、
 
"orangeの実写映画ですが、私は観ない事にしました…色々辛いことがあり、観る勇気がないので。"
 
とつぶやいて、ツィッターごと削除してしまいました
映画化決定当初、本人も喜んでおり、
キャストも自信のキャストの皆様で
ご本人自らオッケーを出したとまで語っていたようなのに…。
その後、脚本作り、撮影中、編集中に
何かしら思うところがあったのでしょう
それでも、やっぱり世に出た映像になった自身の作品を観ないというのはなんとも悲しい出来事です
ファンの方も一部は高野先生が観ないなら…
と、観ない宣言をされてる方もいらっしゃるみたいですね
 
マンガや小説など原作を映像化するのは
非常に難しいと思います
もちろん原作に惚れて、制作者も出版社にオファーをします
でも、マンガで何巻もかけてストーリーを展開しているものを2時間にまとめないといけない
さらにまとめたストーリーに新たにセリフを入れて、起承転結をつけて
あまりにも現実離れした映像やシチュエーションは修正していく
となると、必ずしも原作と同じ展開にするのは難しい場合もあります。
それは制作者も悩んだ結果だったりするのでしょう
中には、コンセプトだけもらって、全く違う映画…なんて事も稀にありますが…
 
マンガは、連載の都合上
最初の数話にすべての盛り上がりポイントが入っていることがあります
もはや、頭でストーリーが完結してしまう勢い
長期連載が決まったあとに、どんどん、話を膨らませていく構造と
映画のようにクライマックスを最後にもってくる構造
根本的に違いもあったりしますよね
 
あとはキャストの都合もあるでしょう
このキャラクターを目立たせたい、
印象に残るセリフは
こいつに言わせる
など、生身の人間になることで
人間特有の事情も発生しますね
 
映像化されるというのは
新たな作品に生まれ変わるということ
そんなこともひっくるめて、
原作を預けざるを得ないのだろうな
と想像します
 
 
進撃の巨人諫山創先生のような
なんでもあり!改変どうぞ!
という人の方が珍しいでしょう
 
最近の疑問は、
原作者と、脚本家ってお互い創造物を作る立場として
原作ものの映画というのは
個人同士の折り合いのつけ方はどうするのだろう?ということ
以前同じ会議の席に両者がいたことがあります
どんな気持ちなのだろう?
と全く関係ないわたしが1番頭を悩ませてしまいました
 
よいよ!明日12月12日より全国公開です
 
監督  橋本光二郎(長編映画初監督)
キャスト   土屋太鳳、山﨑賢人、竜星涼山崎紘菜桜田通、清水くるみ